「相続登記(名義変更)をしたいけれど、不動産の正確な情報をどうやって調べればいいのだろう?」 「契約前に、今の所有者や担保(抵当権)の状況をサッと確認したい」
そう思ったとき、平日に仕事を休んで法務局まで行く必要はありません。現在では、自宅やオフィスのパソコン、スマートフォンからインターネット経由で、リアルタイムに登記簿の内容を確認できる大変便利なサービスがあります。
それが「登記情報提供サービス」です。
この記事では、登記情報提供サービスを初めて利用する方に向けて、サービスの特徴、登記簿謄本(登記事項証明書)との違いや新料金、そしてアカウント登録なしですぐに使える「一時利用」の具体的な手順まで、わかりやすく解説します。
このページの目次
1.「登記情報提供サービス」とは?ネットで登記簿が見られる国のサービス
「登記情報提供サービス」とは、法務局が保有する不動産や会社の登記情報を、インターネットを通じてパソコンやスマホの画面上で確認できる有料のオンラインサービスです。法務省から指定された一般財団法人民事法務協会が運営しています。
◆ サービスで取得できる主な情報
このサービスでは、主に以下のような情報をPDF形式で取得できます。
- 不動産登記情報(全部事項):所有者や所有権移転の履歴、ローン(抵当権)等の設定状況など、登記簿の内容すべて
- 不動産登記情報(所有者事項):現在の所有者の氏名や住所
- 地図情報(公図)・図面情報:土地の形状を示す公図や、地積測量図、建物図面など
- 商業・法人登記情報:会社の代表者、役員、資本金、商号や本店の情報
不動産の相続や売買、あるいは取引先の調査など、「まず登記内容を確認したい」という場面で幅広く活用されています。
2.似ているようで大違い!「登記情報」と「登記簿謄本(登記事項証明書)」の比較
よく混同されがちなのが、ネットで取得する「登記情報」と、昔から言われる「登記簿謄本(現在の正式名称:登記事項証明書)」です。 これらは内容は基本的に同じですが、最大の違いは「法的な証明力の有無(認証文と公印の有無)」にあります。
| 比較項目 | 登記情報提供サービス(登記情報) | 法務局(登記事項証明書 / 登記簿謄本) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 最新の登記内容の「確認・閲覧」 | 公的機関への提出・「法的な証明」 |
| 法的効力 | なし(公印や認証文がない) | あり(登記官の認証文・職印付き) |
| 取得費用(全部事項) | 330円(安価) | 600円(窓口。オンライン郵送なら490円〜) |
| 取得スピード | 即時(ネットでダウンロード) | 即日〜数日(郵送等の場合) |
| 主な利用シーン | 相続財産の事前調査、不動産状況の事前確認、企業の与信確認 | 不動産売買の契約、住宅ローンの本申込、裁判所や税務署への提出 |
ネットで印刷した「登記情報」には、登記官のハンコ(公印)がないため、銀行での融資手続きや、裁判所・税務署への提出書類としては原則使用できません。
一方で、「とりあえず現状の所有者や面積、ローン(担保)の状況を確認したい」という目的であれば、安く瞬時に手に入る登記情報で十分です。実務では、まず登記情報で全体像を把握し、提出用が必要になった段階で登記事項証明書を別途取得する使い分けが基本です。
3.【最新情報】登記情報提供サービスの料金と利用時間
登記情報提供サービスを利用する際は、確認したい情報1件ごとに以下の利用料金がかかります。 なお、令和8年4月1日より、手数料の引き下げに伴い各料金が改定(1円値下げ)されました。
◆ 改定後の利用料金(1件あたり・税込)
全部事項(不動産・商業法人):330円
所有者事項:140円
地図情報(公図)・図面情報:360円
法務局の窓口で全部事項の証明書を取得すると1通600円かかりますので、確認目的であればほぼ半額に抑えることができます。
◆ 利用できる時間
インターネットのサービスですが、24時間いつでも使えるわけではありません。
平日:午前8時30分 〜 午後11時(※地図・図面情報は午後9時まで)
土日祝日:午前8時30分 〜 午後6時(※地図・図面情報は平日のみ)
休業日:年末年始(12月29日 〜 1月3日)、メンテナンス日
土日祝日や、平日の夜間(午後11時まで)も稼働しているため、休日や仕事終わりでも自宅から手軽に取得できます。
4.【初心者向け】アカウント登録不要!「一時利用」で登記情報を取得する10ステップ
登記情報提供サービスには、事前にIDを登録して使う方法のほか、面倒な事前登録手続きを省き、今すぐクレジットカード決済でその場ですぐに利用できる「一時利用」という便利なプランがあります。
今回だけ使いたいという方には、この「一時利用」が最もおすすめです。(※一時利用は、最初にログインした「当日中(24時まで)」に限り有効です)
◆ 事前に用意するもの
クレジットカード(デビットカードも利用可)
不動産の正確な「所在」と「地番」または「家屋番号」が記載された書類
普段使っている住所(〇丁目〇番〇号)と登記上の「地番」は異なる地域が多くあります。住所をそのまま入力すると「該当なし」になる場合があるため、事前に「固定資産税の納税通知書(課税明細書)」や「権利証(登記識別情報)」で地番を確認するか、法務局への問い合わせ等で地番を特定しておく必要があります。
◆ 登記情報取得の具体的ステップ
Step 1:公式サイトにアクセス
登記情報提供サービスの公式Webサイトにアクセスします。 👉 登記情報提供サービス 公式サイト
Step 2:一時利用の「利用申込」をクリック
トップページ中段にある「一時利用」枠内の「利用申込」をクリックします。推奨環境や「契約約款」を確認し、画面下の「同意する」をクリックします。
Step 3:利用者情報の入力
氏名、カタカナ、任意のパスワード、電話番号、メールアドレスなどの必須項目を入力します。入力後、「次へ」進み「登録」をクリックします。
Step 4:確認メールのURLをクリック
登録したメールアドレスに本登録用のメールが届きます。メール内に記載されたURLをクリックし、登録を完了します。このとき、メールにあなた専用の【お客様ID番号】が記載されています 。
Step 5:IDとパスワードでログイン
ログイン画面に自動で切り替わりますので、メールに届いた「お客様ID」と、先ほどご自身で設定した「パスワード」を入力してログインします。
Step 6:マイページから「不動産請求」をクリック
ログイン後に表示されるマイページメニューから「不動産請求」をクリックします。
Step 7:不動産の「所在」と「地番・家屋番号」を入力
請求方法で「所在指定」にチェックを入れ、種別(「土地」または「建物」)を選びます。
都道府県を選び、「所在選択」から市区町村・町名を正確に選択します。
地番・家屋番号を入力します。
入力例:地番が「120番5」なら、「120-5」と入力(「番」を「ハイフン」に換えます)。普段使っている住所(〇丁目〇番〇号)と登記上の「地番」は異なる地域が多くあります。住所をそのまま入力すると「該当なし」になる場合があるため、事前に「固定資産税の納税通知書(課税明細書)」や「権利証(登記識別情報)」で地番を確認するか、法務局への問い合わせ等で地番を特定しておく必要があります。
💡 建物の家屋番号がわからない場合の裏ワザ
建物の登記情報を調べるには「家屋番号」が必要です。家屋番号が不明な場合は、請求方法で「土地からの建物検索指定」を選択して土地の地番を入力すれば、その土地の上に立っている建物の家屋番号が一覧表示されます。そこから調べたい建物を選択すれば、家屋番号がわからなくても取得できます。
Step 8:請求事項の種類を選択
通常は「全部事項」にチェックを入れます。 抵当権などの担保(ローンなど)を詳しく確認したい場合は、「共同担保目録」を「要」にチェックを入れます。内容を確認し、「確認」をクリックして未請求一覧に登録します。
Step 9:クレジットカード情報を入力し決済
未請求一覧から進み、クレジットカード情報を入力して「請求」をクリックします。3Dセキュア(本人認証)の認証コードを求められた場合は、画面の指示に従って入力します。
Step 10:PDFファイルを保存・閲覧
決済完了後、マイページ画面のステータスが「請求済」に切り替わります。ファイル名のリンクをクリックすると、登記情報のPDFが表示されます。 これを忘れずに、ご自身のパソコンやスマホに「名前を付けて保存」してください。
⚠️ 一時利用の注意点(保存期間のルール)
取得したPDFファイルを閲覧・ダウンロードできる期間は、「登記情報を取得した当日、および翌日以降の平日の3日間が経過するまで」です(例:月曜取得なら木曜まで)。期間を過ぎると見られなくなってしまい、再取得には再度料金がかかります。取得後はすぐに保存することを徹底しましょう。
5.相続登記や遺言書作成で「登記情報」の確認が欠かせない理由
「相続した実家の名義を自分に変えたい」「将来家族が困らないように遺言書を残したい」 こうした相続・遺言手続きにおいて、最初の「登記情報の確認」は絶対に避けて通れない極めて重要な作業です。
① 「1文字の違い」で手続きがやり直しになるため
遺産分割協議書や登記申請書を作成する際、不動産の表記は登記簿の記載通りに正確に書く必要があります。 私たちが普段使っている住所(住居表示)の書き方で「○○町一丁目2番3号」と書いてしまうと、法務局では「登記簿と表記が異なる」と判断され、登記申請のやり直しになるリスクがあります。正確な「地番」「地目」「地積」「床面積」「共有持分」などを登記情報で確認することが欠かせません。
② 複雑な「共有名義」や古い「担保(抵当権)」に気づくため
不動産が実は亡くなった方の単独名義ではなく「共有名義」だったり、とっくに払い終えたはずの古い住宅ローンの「抵当権」が残ったままになっていることがあります。事前に登記情報を取得して、こうした事実をすべて洗い出しておくことがスムーズな相続の鍵となります。
また、現在は「相続登記の申請義務化」が始まっており、正当な理由なく放置すると罰則(過料)の対象となる可能性があります。まずは登記情報を取得し、対象不動産の状況を正しく把握することが最初の大切な一歩です。
6.相続・遺言手続きは「高野司法書士事務所」にお任せください
インターネットの登記情報提供サービスを使えば、不動産の現状を個人でも簡単に安く確認することができます。しかし、登記情報を確認した後の「戸籍謄本の収集」や「遺産分割協議書の作成」、「法務局への登記申請」といった実務手続きは、一般の方にとっては非常に時間と手間のかかる複雑なものです。
「相続登記のために亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本を集めなければならないが、平日に役所を回る時間がない」
「後々のトラブルを防ぐために、法的に完璧な遺言書や遺産分割協議書を作りたい」
このようなお悩みや、自分で手続きをすることに不安をお持ちの方は、ぜひ、相続・遺言手続きの専門家である高野司法書士事務所へご相談ください。
法律のプロフェッショナルである司法書士が、皆様お一人おひとりのご状況に合わせた最適なサポートをスピーディーに行い、正確かつ安全に手続きを完了させます。
「何から手をつけていいかわからない」「自分でやろうとしたが難しくて途中で止まってしまった」という方も、どうぞご安心ください。まずは無料相談から、お気軽に皆様のお悩みをお聞かせください。私たちがご家族の安心な未来づくりを、全力でサポートいたします。

神奈川県横浜市青葉区にある高野司法書士事務所の高野直人です。遺言書作成や相続登記、相続放棄など、相続に関する手続きを中心にお手伝いしています。令和6年4月から相続登記が義務化されたこともあり、不安や疑問をお持ちの方も多いかと思います。当事務所では、平日夜間や土日祝日の無料相談も行っており、お一人おひとりに丁寧に対応しています。どうぞお気軽にご相談ください。
