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相続関係説明図とは?書き方や法定相続情報一覧図との違い、原本還付のメリット

2026-02-14

親御様が亡くなり、不動産の名義変更(相続登記)の手続きを始めようとしたとき、まず驚かれるのが「集めなければならない戸籍の多さ」ではないでしょうか。

出生から死亡までの連続した戸籍、相続人全員の戸籍……これらを取得するだけでも大変な労力と費用がかかります。「やっと集めたこの大切な戸籍の束を、役所に提出してしまって大丈夫なの?」「銀行の手続きでも使うのに、戻ってこなかったらどうしよう?」そんな不安を抱える方も多いはずです。

実は、法務局での登記申請の際、「相続関係説明図(そうぞくかんけいせつめいず)」という書類を作成して提出することで、提出した戸籍謄本等の原本を返却してもらうことができます。これを「原本還付(げんぽんかんぷ)」と言います。

今回は、相続手続きをスムーズに進めるために欠かせない「相続関係説明図」について、その役割や書き方、そして最近よく耳にする「法定相続情報一覧図」との違いについて解説します。

1.相続関係説明図とは?作成する最大の目的は「原本還付」

相続関係説明図とは、亡くなられた方(被相続人)と、財産を受け取る相続人の関係を、家系図のように整理した一覧図のことです。

相続登記の申請において、この図の提出は法律上の義務ではありません。しかし、実務上はほとんどのケースで作成・提出されています。その最大の理由は、提出した戸籍等の原本を返してもらうため(原本還付)です。

■原本還付(げんぽんかんぷ)のメリット 通常、法務局に書類を提出すると、それらは役所で保管され手元には戻りません。しかし、相続関係説明図を添えて「原本還付」の手続きを行うと、登記官が「図の内容」と「戸籍の内容」が一致していることを確認した後、戸籍謄本等の原本を返却してくれます(※説明図自体は返却されません)。

これにより、以下の3つの大きなメリットが生まれます。

  • 費用の節約: 1通450円〜750円かかる戸籍を何セットも取得する必要がなくなり、数千円〜数万円の節約になります。
  • 手続きの効率化: 戻ってきた戸籍の原本を、そのまま銀行の解約や証券会社、保険金の請求、相続税の申告などに使い回すことができます。
  • 手間の削減: 戸籍をコピーして「原本と相違ありません」と書いてハンコを押す……という膨大な事務作業を省略できます。

2.相続関係説明図と法定相続情報一覧図の違い

近年、「法定相続情報一覧図(ほうていそうぞくじょうほういちらんず)」という書類が登場しました。これは2017年から始まった新しい制度です。どちらも「相続関係を示した図」ですが、法的な効力や使い道には大きな違いがあります。

項目相続関係説明図法定相続情報一覧図
書類の性質私的な書類(作成者が署名)公的な証明書(法務局が認証)
主な使い道法務局での原本還付用銀行、保険、登記、税務署など多用途
作成の自由度高い(遺産分割の結果も記載可)厳格(法定相続人のみ記載)
発行手数料無料(自作の場合)無料(法務局で発行)
申請の手間作成して登記と一緒に提出専用の申出書を作成し法務局へ申請

最大の違いは、「公的な証明力があるかどうか」です。 法定相続情報一覧図は、法務局の登記官が内容を確認して認証文を付した「公文書」扱いとなるため、これ1枚あれば戸籍の束を持ち歩かなくても各種手続きが可能になります。

3.どちらを作成すべき?判断のポイント

「結局、うちはどっちを作ればいいの?」と迷われる方のために、判断基準をまとめました。

A. 「相続関係説明図」で十分なケース

  • 手続き先が少ない場合: 自宅の土地・建物の名義変更(相続登記)だけで、銀行口座などはほとんどない場合。
  • 急いでいる場合: 法務局への事前申出などの手間をかけず、すぐに登記申請を行いたい場合。
  • 遺産分割の内容も図に反映させたい場合: 「誰が相続したか」「誰が遺産はいらないと言ったか(分割)」を図の中に書き込みたい場合。

B. 「法定相続情報一覧図」を取得した方がいいケース

  • 手続き先が多い場合: 銀行や証券会社の口座が複数あり、同時に手続きを進めたい場合。
  • 遠方の手続きがある場合: 郵送でのやり取りが多く、戸籍原本の返却待ち時間を短縮したい場合。
  • 相続税の申告が必要な場合: 税務署への提出書類としても利用可能です。

4.相続関係説明図の書き方と必要書類

ここでは、一般的な「相続関係説明図」の作成手順を解説します。パソコン(ExcelやWord)でも手書きでも構いませんが、修正が容易なパソコンでの作成をおすすめします。

【ステップ1】必要な書類を集める 正確な図を作るために、まずは以下の書類を揃えます。(例:父が亡くなり、母と子が相続人のケース)

  • 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
  • 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票

【ステップ2】記載すべき項目を確認する

  • タイトル: 「相続関係説明図」と大きく記載。
  • 被相続人の情報: 氏名、最後の本籍、最後の住所、生年月日、死亡年月日。
  • 相続人の情報: 氏名、住所、生年月日、続柄(「妻」「長男」など)。
  • 相続の結果:
    • 不動産を取得する人 → 「(相続)」
    • 遺産分割で取得しない人 → 「(分割)」
    • 遺言で取得する人 → 「(遺言)」

【ステップ3】家系図を作成する 夫婦は二重線、親子は一本線で結びます。法務局のウェブサイト等にある記載例を参考に、関係性が一目でわかるように配置しましょう。最後に、作成者の署名・押印欄を設けることもあります(司法書士作成の場合)。

5.自分で作成するのが難しいケースと専門家への依頼

相続人が「配偶者と子供だけ」といったシンプルな関係であれば、ご自身で作成することも可能です。しかし、以下のようなケースでは作成が複雑になり、ミスが発生しやすくなります。

  • 数次相続(すうじそうぞく): 相続手続き中に相続人の一人が亡くなり、さらに次の相続が発生している場合。図面上で二つの相続関係を表現する必要があります。
  • 代襲相続(だいしゅうそうぞく): 被相続人より先に子供が亡くなっており、孫が相続人になる場合。「被代襲者」などの専門的な記載が必要になることがあります。
  • 兄弟姉妹が相続人: 子供がおらず、両親も他界しているため、兄弟姉妹や甥・姪が相続人になる場合。戸籍の収集範囲が非常に広くなります。
  • 複雑な親族関係: 離婚、再婚、養子縁組、異母兄弟などが含まれる場合。

■司法書士に依頼するメリット 司法書士に相続登記をご依頼いただく場合、通常は相続関係説明図の作成も業務に含まれています

  • 戸籍収集の代行: 面倒な戸籍集めから全て任せられます。
  • 正確な図面の作成: 法的な間違いのない図面をプロが作成します。
  • 最適なアドバイス: お客様の状況に合わせて、「今回は法定相続情報一覧図を取得しておいた方が、後の銀行手続きが楽ですよ」といった提案も可能です。

「相続関係説明図」は、単なる家系図ではなく、大切な戸籍原本を取り戻し、相続手続き全体を効率化するための重要なツールです。

  • 手続き先が少ないなら「相続関係説明図」
  • 手続き先が多いなら「法定相続情報一覧図」

ご自身の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。 もし、「自分の場合はどちらがいいの?」「複雑な関係で図が書けない」とお悩みでしたら、ぜひ一度専門家にご相談ください。

高野司法書士事務所では、横浜エリアを中心に数多くの相続手続きをサポートしております。戸籍の収集から図面の作成、登記申請まで、トータルでサポートいたします。まずは無料相談をご利用ください。

登記事項証明書(登記簿謄本)の見方と取り方を司法書士がわかりやすく解説

2026-01-31

相続手続きや不動産の売却、住宅ローンの申し込みなどで、「法務局で、不動産の登記事項証明書(とうきじこうしょうめいしょ)を取ってきてください」と言われたことはありませんか?

「初めて聞く名前だけど、どんな書類?」 「昔聞いた『登記簿謄本』とは違うの?」

そんな疑問をお持ちの方へ。 この記事では、不動産手続きの基本となる「登記事項証明書」について、見方やスムーズな取得方法を解説します。

これから実家の相続などを控えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.登記事項証明書とは?(謄本との違い)

登記事項証明書とは、一言でいうと「不動産の履歴書」であり「身分証明書」のようなものです。

その土地や建物が「どこにあり、どれくらいの広さか(物理的状況)」「誰が持っていて、どんな権利が付いているか(権利関係)」といった情報が、法務局のコンピュータに詳しく記録されています。この記録内容を専用の用紙に印刷し、証明したものが登記事項証明書です。

「登記簿謄本」と何が違うの?

多くの方が疑問に思うのが、「登記簿謄本(とうきぼとうほん)」との違いです。結論から言うと、名前が違うだけで、内容は同じものと考えて差し支えありません。

  • 登記簿謄本: 昔、紙のバインダー(登記簿)で管理されていた時代、その紙をコピー(謄写)したもの。
  • 登記事項証明書: 現在、コンピュータでデータ管理されている内容を出力して証明したもの。

今でも慣習的に「謄本(とうほん)」と呼ばれることが多いため、「謄本を取ってきて」と言われたら「登記事項証明書のことだな」と解釈して大丈夫です。

2.登記事項証明書の見方

登記事項証明書には、難しい法律用語がたくさん並んでいますが、大きく3つのブロックに分けて見ると簡単に理解できます。

以下のイメージ図をご覧ください。

① 表題部(ひょうだいぶ)

「ここにある、こんな広さの土地(建物)です」という物理的な情報です。 相続の際は、固定資産税の納税通知書などと照らし合わせて、面積や地目が合っているか確認します。

② 権利部(甲区)(こうく)

「この不動産の持ち主(所有者)は誰か」が記録されています。 過去の持ち主から順番に記録されており、一番下に記載されているのが現在の所有者です。相続手続きをする際は、ここが「亡くなった方(被相続人)」の名義になっているかを確認します。

③ 権利部(乙区)(おつく)

「所有権以外の権利」が記録されています。代表的なのが、住宅ローンを組んだ時の「抵当権(ていとうけん)」です。 もし、完済しているはずの古い抵当権(明治・大正時代のものなど)が残っている場合は、抹消手続きが必要になります。

3.登記事項証明書の取得方法と費用

登記事項証明書は、誰でも・全国どこの法務局でも取得できます。「所有者本人しか取れない」「地元の法務局に行かないといけない」と誤解されがちですが、委任状も不要です。

取得方法は主に3つあります。

① 法務局の窓口へ行く

最寄りの法務局に行き、申請書を書いて提出します。

  • 手数料: 1通 600円
  • メリット: その場ですぐ受け取れる。書き方を係員に聞ける。
  • デメリット: 平日しか開いていない。

② 郵送で請求する

申請書と返信用封筒、手数料分の収入印紙を同封して、法務局へ送ります。

  • 手数料: 1通 600円(+郵送料)
  • メリット: 法務局へ行く時間がない方向け。
  • デメリット: 届くまで数日かかる。

③ オンラインで請求する

インターネットを使って請求し、自宅や会社へ郵送してもらう方法です。

  • 手数料: 1通 520円
  • メリット: 窓口(600円)より安く、法務局へ行く手間もゼロ。
  • デメリット: 初回の利用者登録や操作に少し慣れが必要。

💡 急ぎの方・もっと安く済ませたい方へ オンラインで請求して、「受取だけ法務局の窓口へ行く」ことも可能です。 この場合、手数料は最安の490円になり、窓口での待ち時間もほとんどありません。「郵送を待つ時間がない!」というお急ぎの方におすすめです。

★注意:インターネット閲覧サービス(民事法務協会)について ネットで登記情報の中身だけを確認できる「登記情報提供サービス」もありますが、これはあくまで「閲覧」用です。公的な証明書ではなく、印刷しても認証文が付されないため、銀行や役所などに提出する際の書類としては使えません。提出用には「登記事項証明書」を取得してください。

4.相続登記の準備は、まず「証明書」の確認から

登記事項証明書は、現在の不動産の状態を証明する唯一の公的書類です。

「権利証(登記済証)があるから大丈夫」と思っていても、実はその後に一部を売却していたり、知らない間に親族の担保が入っていたりするケースもゼロではありません。 相続手続きや遺言書の作成を行う前には、必ず最新の登記事項証明書を取得し、「現在の名義人は誰か」「担保はついていないか」を正確に把握することがスタートラインになります。

5.高野司法書士事務所にご相談ください

「古い抵当権が残ったままになっていて不安だ」 「相続した不動産の名義変更を、戸籍集めから全て任せたい」

このようにお悩みの方は、高野司法書士事務所までお気軽にご相談ください。

当事務所は横浜市青葉区を拠点に、相続・遺言・登記手続きを専門としております。 地域密着のきめ細やかなサポートはもちろん、オンライン申請システムに対応しているため、全国どこの不動産の名義変更(相続登記)でも対応可能です。

また、「遠方に住んでいて事務所に行けない」「忙しくて時間が取れない」という方のために、Zoom等を用いたオンライン面談も実施しております。 難しい専門用語を使わず、お客様の状況に合わせて分かりやすくご説明いたします。

まずは無料相談にて、あなたのお悩みをお聞かせください。

【相続登記の義務化】不動産の名義変更はいつまで?期限や手続きの流れを解説【全国対応】

2026-01-24

ご家族が亡くなられた後、さまざまな手続きが必要になりますが、その中でも特に重要、かつ専門的な知識が必要なのが「不動産の名義変更(相続登記)」です。

「実家を相続したけれど、名義変更は急がなくてもいいの?」 「昔の権利書のままでも問題ない?」

これまで、不動産の名義変更には明確な期限がありませんでした。しかし、法律が変わり、2024年4月1日から相続登記が義務化されたことをご存知でしょうか?

この記事では、法改正のポイントや手続きの具体的な流れ、そして「自分でやる場合」と「専門家に任せる場合」の違いについて、高野司法書士事務所がわかりやすく解説します。

1.そもそも「相続登記(不動産の名義変更)」とは?

相続登記とは、亡くなられた方(被相続人)の名義になっている土地や建物を、相続した方(相続人)の名義に変更する手続きのことです。 これを放置すると、法務局の記録は亡くなった方のままとなり、将来その不動産を売却したり、担保に入れて融資を受けたりすることができません。

これまでは「罰則」がなかったため、何代にもわたって名義変更が放置されるケース(所有者不明土地問題)が増えていました。そこで国は法律を改正し、義務化へと舵を切りました。

2.【最重要】2024年4月から始まった「義務化」と「罰則」

これから相続手続きをする方が絶対に知っておくべきポイントは以下の2点です。

① 「3年以内」の期限が設定されました

相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。

② 過去の相続も対象です(遡及適用)

「法律が変わる前(2024年4月以前)に相続した不動産だから関係ない」というのは間違いです。 改正法施行前に発生した相続についても、義務化の対象となります。この場合、施行日(2024年4月1日)から3年間の猶予期間が設けられていますが、早めの対応が推奨されます。

③ 放置すると「10万円以下の過料」の対象に

正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料(行政上の罰金のようなもの)が科される可能性があります。

あわせて読みたい 令和6年4月から始まった義務化のルールや、期限の計算方法について詳しく解説しています。

3.不動産の名義変更、具体的な手続きの4ステップ

では、実際に名義変更を行うにはどのような手順が必要なのでしょうか。一般的な流れをご紹介します。

ステップ1:必要書類の収集

まず、相続人を確定させるために、亡くなった方の「出生から死亡まですべての戸籍謄本」を集める必要があります。転籍を繰り返している場合、全国各地の役所から取り寄せる必要があり、これだけで数ヶ月かかることも珍しくありません。 また、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書、不動産の固定資産評価証明書なども必要です。

★戸籍収集が便利になりました 広域交付制度の利用条件や、どこで取得できるかなどの詳細は「戸籍が最寄りの役所で取得できるようになります|広域交付制度を解説」で詳しくご紹介しています。

ただし、すべての戸籍が揃わないケースや、依然として取得に時間がかかる場合もあります。お急ぎの方や手続きを丸投げしたい方は、当事務所の「戸籍収集代行」もぜひご検討ください。

★必要書類をチェック 自分で手続きする場合に集める書類の一覧や、印鑑証明書などの有効期限について詳しく解説しています。

ステップ2:遺産分割協議

「誰が」「どの不動産を」相続するかを話し合います。 法律で決まった割合(法定相続分)通りに分けるのか、特定の誰かが引き継ぐのかを決め、合意内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成します。ここには相続人全員の実印と署名が必要です。

関連記事 遺産分割協議書の具体的な書き方や注意点についてはこちらを参考にしてください。

ステップ3:登記申請書の作成

法務局へ提出するための申請書を作成します。記載内容に一文字でも誤りがあると受け付けてもらえないため、非常に高い正確性が求められます。また、登録免許税(手数料)の計算も行う必要があります。

ステップ4:法務局へ申請・完了

管轄の法務局へ書類を提出します。審査を経て問題がなければ、1〜2週間程度で名義変更が完了し、新しい「登記識別情報通知(昔でいう権利証)」が発行されます。

4.自分でやる?司法書士に頼む?

  • 平日に時間が取れない方: 役所や法務局の窓口は基本的に平日しか開いていません。戸籍収集や相談のために何度も仕事を休む必要があります。
  • 相続関係が複雑な方: 前妻の子がいる、相続人が兄弟姉妹や甥姪に及ぶ、連絡が取れない親族がいる場合などは、全員の協力を取り付けるのに専門的なノウハウが必要です。
  • 数次相続が発生している方: 「祖父の名義のまま父も亡くなり、自分が相続する」といった場合、過去に遡って複数の相続手続きを同時に行う必要があり、非常に複雑になります。
  • 相続した不動産をすぐに売却したい方: 不動産を売るには、決済日までに確実に名義変更を完了させる必要があります。万が一、書類不備で登記が遅れると売買契約自体が破談になるリスクがあるため、スピードと正確性が求められます。
  • 相続人の中に認知症の方や未成年者がいる方: 遺産分割協議を行うには「意思能力」が必要です。認知症等で判断能力が不十分な方がいる場合は「成年後見人」、未成年者がいる場合は「特別代理人」の選任が必要になるケースがあり、家庭裁判所での手続きも絡んできます。

ご自身で手続きを始めたものの、「戸籍の見方がわからない」「法務局で何度も書類の修正を指摘された」と、途中で断念して当事務所へ駆け込まれるケースも少なくありません。

5.不動産の名義変更は、高野司法書士事務所にお任せください

不動産は大切な資産であると同時に、手続きを間違えたり放置したりすると、将来的に「負動産」としてご家族の負担になるリスクもはらんでいます。 義務化が始まった今、正確かつ迅速に手続きを済ませておくことが、ご自身とご家族の安心につながります。

高野司法書士事務所では、横浜市青葉区での地域密着のサポートを大切にしながら、最新のオンラインシステムを活用し、全国の不動産相続に対応しています。

  • 面倒な戸籍収集からすべて代行: お忙しいお客様に代わり、必要な書類をすべて収集します。
  • 【全国対応】オンライン申請・Zoom相談に対応: 当事務所はオンライン申請に対応しているため、遠方の不動産でも手続き可能です。「実家は地方だが、住まいは都心」という場合でも、現地の法務局へ出向く必要はありません。 また、Zoomなどを使ったオンライン相談も可能です。「事務所まで行く時間がない」「遠方に住んでいる」という方も、ご自宅にいながら対面と同じようにご相談いただけます。(もちろん、当事務所での対面相談も大歓迎です)
  • 明確な費用体系: 事前にしっかりとお見積りを提示し、ご納得いただいてから業務に着手します。

「3年の期限があるなんて知らなかった」「実家の名義がどうなっているか不安だ」 そのようにお考えの方は、期限ギリギリになって慌てる前に、まずは一度ご相談ください。

専門用語を使わず、分かりやすい言葉で、解決までの道筋をご提案させていただきます。

【保存版】登記識別情報通知(権利証)とは?シールは剥がすべき?紛失時の対応や相続での扱いを解説

2026-01-17

不動産の購入や相続の手続きが終わった後、法務局から「登記識別情報通知(とうきしきべつじょうほうつうち)」という書類が届き、「これって何?」「すごく重要そうだけど、どう保管すればいいの?」と戸惑う方は少なくありません。

特に、書類の下部に貼られている目隠しシール(袋とじ)を見て、「これは剥がしてもいいのだろうか?」と悩む方が非常に多いです。

この書類は、いわば「現代版の権利証」であり、不動産の実質的な持ち主であることを証明する極めて重要なものです。扱いを間違えると、将来不動産を売却したり、担保に入れたりする際に大きなトラブルになる可能性があります。

今回は、この「登記識別情報」について、正しい保管方法、シールを剥がしてしまった時の対処法、紛失時の対応、そして相続での扱いまで、司法書士が「取扱説明書」として分かりやすく解説します。

1.そもそも「登記識別情報」とは?昔の「権利証」との違い

まず、基本的な用語を整理しましょう。

かつて、不動産の所有者には「登記済証(とうきずみしょう)」という書類が発行されていました。これが一般的に「権利証(けんりしょう)」と呼ばれていたものです。和紙のような紙で、法務局の赤いハンコ(朱印)が押されているのが特徴でした。

しかし、平成17年の不動産登記法改正により、オンライン化が進み、この「紙の権利証」は廃止されました。その代わりに導入されたのが「登記識別情報」です。

最も重要なのは「12桁のパスワード」

「登記識別情報」の本質は、紙そのものではなく、そこに記載されている12桁の英数字からなる符号(パスワード)です。

このパスワードを知っていることこそが、「真の所有者である証」となります。不動産を売却したり、銀行からお金を借りて抵当権を設定したりする際には、このパスワードを法務局に提供することで本人確認を行います。

つまり、この12桁のパスワードは、不動産取引における「実印」「キャッシュカードの暗証番号」と同じくらい重要なものなのです。

2.【見本】これが登記識別情報通知です

では、実物はどのようなものでしょうか。お手元の書類と見比べてみてください。(出典:法務省)

A4サイズの緑色の用紙で、最下部が緑色の目隠しシールや袋とじで隠されています。剥がすとこのように「12桁の符号(英数字)」と「QRコード」が現れます。

この12桁の符号こそが、あなたの不動産を守る「暗証番号」です。この見本のように番号が丸見えの状態だと、万が一他人の目に触れた際に、大切な権利を悪用されるリスクが生じてしまいます。

3.【一番多い質問】目隠しシールは剥がしていいの?

結論から申し上げます。 目隠しシールは、絶対に剥がさないでください。

多くの方が「届いたら内容を確認しなくては」と剥がしてしまいがちですが、これはNG行為です。

なぜなら、シールを剥がして12桁のパスワードが誰かの目に入ってしまうと、その時点で「権利証としてのセキュリティ効果が失われる」からです。万が一、このパスワードと実印、印鑑証明書がセットで悪意のある第三者に渡ってしまうと、勝手に不動産を売却されてしまうリスクすらあります。

いつ剥がすのが正解?

シールを剥がすのは、不動産を売却する、贈与する、担保に入れるといった具体的な手続きを行う「直前」です。通常は、登記手続きの依頼を受けた司法書士の方で、登記申請の際に開封するケースが多いと思います。それまでは、未開封のまま保管するのが最も安全です。

もし、剥がしてしまったら?

すでに剥がしてしまった場合でも、ただちに不動産の権利を失うわけではありません。ご安心ください。 ただし、パスワードが露見している状態ですので、以下の対策を強くお勧めします。

  1. 誰にも見られない場所に厳重に保管する(金庫など)。
  2. コピーを取ったり、スマホで撮影したりしない(データ流出のリスクになります)。

4.【トラブル】紛失してしまった!再発行はできる?

「何年も前のことで、どこにしまったか分からない」「火事や盗難で失くしてしまった」という場合、非常に不安になるかと思います。

残念ながら、いかなる理由があっても登記識別情報の再発行は一切できません。これは、なりすましによる不正な再発行を防ぐための厳格なルールです。

紛失しても、不動産の取引は可能です

「それじゃあ、もう家を売れないの?」と絶望する必要はありません。権利証(登記識別情報)がない場合でも、以下の代替手段によって本人確認を行い、手続きを進めることができます。

  • 司法書士による「本人確認情報」の作成 司法書士が所有者ご本人と直接面談し、運転免許証などで厳格な本人確認を行った上で、「間違いなく本人である」という証明書を作成します。実務ではこの方法が最も一般的です。(※別途費用がかかります)
  • 法務局からの「事前通知」制度 登記の申請後、法務局から所有者の住所宛に「本当にあなたが申請したのですか?」という確認書類が届きます。これに実印を押して返送することで手続きが完了します。(※時間がかかります)

紛失に気づいたら、まずは落ち着いて探し、どうしても見つからない場合は、将来の取引時に司法書士へその旨を伝えれば問題ありません。不安な場合は、法務局で「失効の申出」を行い、現在のパスワードを無効化することも可能です(ただし、新しいパスワードは発行されません)。

5.【相続】相続手続きに「親の権利証」は必要?

最後に、相続の場面での扱いについてです。

「亡くなった親の名義を自分に変えたい(相続登記)」という場合、親が持っていた古い権利証や登記識別情報は、原則として提出不要です。

なぜなら、相続は人の死亡という事実によって当然に権利が移転するものであり、被相続人(亡くなった方)の意思確認(=権利証の提示)は必要ないとされているからです。

相続登記が終わると「新しい登記識別情報」が発行されます

相続登記が完了し、あなたが新しい不動産の所有者になると、あなたの名前で、新しい「登記識別情報通知」が法務局から発行されます。

これが、あなたにとっての「新しい権利証」となります。届いたら、これまで解説したように、シールは剥がさず、金庫や仏壇の引き出しなど、実印と同じくらい大切な場所に厳重に保管してください。

6.登記の専門家・高野司法書士事務所にお任せください

登記識別情報は、あなたの貴重な財産を守るための大切な鍵です。 「シールを剥がしてしまった」「見当たらない」といったトラブルがあっても、適切な対処法を知っていれば慌てる必要はありません。

当事務所では、以下のようなサポートを行っております。

  • 正確な相続登記: 戸籍収集から登記申請まで、スムーズに名義変更を完了させます。
  • 権利証紛失への対応: 権利証をなくしてしまった場合でも、「本人確認情報」の作成等により、安全に売却や生前贈与の手続きを進めることが可能です。
  • 将来を見据えたコンサルティング: 登記だけでなく、遺言や家族信託を組み合わせた最適な財産承継をご提案します。

「この古い書類、どうすればいいの?」「シールを剥がしてしまったけど大丈夫?」といった小さなお悩みでも構いません。地域に根ざした相続のプロとして、丁寧にお話を伺います。

まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

【相続】タンス預金はなぜバレる?税務署が隠し財産を見抜く5つの理由

2026-01-07

「親が亡くなり、遺品整理をしていたらタンスの奥から多額の現金が出てきた」 「銀行から引き出した現金を自宅に保管していた場合、相続税の申告は必要なの?」

相続の手続きを進める中で、こうした「タンス預金(自宅保管の現金)」の扱いに悩む方は少なくありません。中には、「銀行口座に入っているわけではないし、現金なら税務署にバレないだろう」と考えてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、結論から申し上げますと、タンス預金は税務署に高い確率でバレます。 安易に隠してしまうと、後から「重加算税」などの重いペナルティを課されるだけでなく、相続人同士のトラブルに発展する可能性もあります。

今回は、なぜ税務署は隠し財産を見抜くことができるのか、その「5つの理由」と、タンス預金が見つかった場合の正しい対処法について、相続の専門家である司法書士の視点から解説します。

1.そもそも「タンス預金」も相続税の対象になる?

まず大前提として、タンス預金(手元現金)も立派な相続財産です。

相続税は、亡くなった方(被相続人)が保有していた「経済的価値のあるすべてのもの」に対して課税されます。預貯金、不動産、株式はもちろんのこと、自宅の金庫やタンス、仏壇の引き出しに入っていた現金も、すべて合算して申告する必要があります。

「へそくりだから」「家族も知らなかったから」という理由は通用しません。もし、これを除外して遺産分割協議を行ったり、税務申告を行ったりした場合、脱税や申告漏れとみなされるリスクがあります。

2.税務署がタンス預金を見抜く5つの理由

「現金そのものに名前は書いていないのに、なぜ税務署にバレるのか?」 多くの方が疑問に思う点ですが、日本の税務署(国税局)の調査能力は極めて高いです。彼らは現物を探すのではなく、「お金の流れ」と「データの整合性」からタンス預金の存在をあぶり出します。

ここでは、税務署がタンス預金を見抜く主な5つの手法を解説します。

1. 国税総合管理システム(KSK)によるデータ分析

税務署はKSK(国税総合管理システム)という巨大なデータベースを持っています。ここには、国民の過去の所得税の申告内容、固定資産の保有状況、支払調書などの情報が集約されています。

税務署は、亡くなった方の過去の収入から「これくらいの資産が残っているはずだ」という理論上の数値を算出します。 例えば、生涯で3億円の収入があったはずの人が、預金500万円しか申告していない場合、「差額はどこに消えたのか?(タンス預金ではないか?)」とシステムがアラートを出します。このデータとの乖離(かいり)が、調査のきっかけとなります。

2. 過去10年分の預金口座の入出金履歴

相続が発生すると、税務署は職権で金融機関に対し、被相続人の過去の取引履歴(通常過去10年分、場合によってはそれ以上)を照会することができます。

  • 亡くなる直前の多額の引き出し
  • 定期的な数十万円単位の引き出し
  • 使途が不明な出金

これらは徹底的にチェックされます。「生活費に使った」と主張しても、領収書がなかったり、生活水準と比べて金額が大きすぎたりする場合は、「手元に現金として残っている」と判断されます。

3. 相続人(家族)の預金口座の動き

調査の対象は、亡くなった本人だけではありません。配偶者や子供、孫などの口座もチェックされます。 これを「名義預金」の調査といいます。

例えば、専業主婦である妻の口座に多額の入金があったり、収入に見合わない預金額があったりする場合、「夫(被相続人)の財産を移しただけではないか」と疑われます。また、相続発生直後に相続人の口座へ急な入金があれば、タンス預金を移したことがすぐに露呈します。

4. 不動産や高級車の購入履歴

税務署は登記情報も把握しています。もし、相続税の申告額が少ないにもかかわらず、相続人が相続直後にローンを組まずに不動産を購入したり、高級車を一括払いで購入したりしていれば、「その資金源は申告していないタンス預金ではないか?」と疑われます。

5. 相続税調査官による実地調査

データ分析で「怪しい」と判断された場合、税務調査官が自宅へやってくる「実地調査」が行われます。 調査官はプロフェッショナルです。金庫の中身はもちろん、タンスの裏、床下、怪しい封筒の束、さらには家族の会話の端々から隠し財産を見つけ出します。「お父様は現金を好む方でしたか?」といった何気ない質問から、タンス預金の存在を特定していくのです。

3.バレた時の代償は大きい!ペナルティとリスク

もしタンス預金を隠して申告し、それが税務調査で発覚した場合、本来払うべき税金に加えて、重いペナルティが課せられます。

  • 過少申告加算税: 本来の税額より少なく申告していた場合の罰金。
  • 延滞税: 納付が遅れたことによる利息のような税金。
  • 重加算税: ここが最も恐ろしい点です。 「わざと隠した(仮装・隠蔽)」と判断された場合、最大40%もの重加算税が課されます。

また、税金の問題だけでなく、遺産分割協議のやり直しが必要になることも大きなリスクです。 「お兄ちゃん、実はタンス預金を隠し持っていたの?」と他の相続人にバレれば、親族間の信頼関係は崩壊し、泥沼の争いに発展しかねません。

4.タンス預金が見つかったらどうすべき?

実家の片付けなどでタンス預金が見つかった場合、以下の手順で適切に処理を行うことが、結果的に自分自身を守ることになります。

  1. 金額を正確に数える いつ、どこから、いくら出てきたかを記録し、証拠として写真を撮っておきましょう。
  2. 財産目録に記載する 預貯金や不動産と同じように、「現金」として財産目録に計上します。
  3. 遺産分割協議書に明記する 誰がその現金を相続するのかを話し合い、遺産分割協議書に「現金 〇〇円」と記載します。
  4. 正直に申告する 相続税の申告が必要な場合は、包み隠さず税理士に伝え、申告書に記載します。

5.相続手続きは「正確な財産調査」から始まります

タンス預金に限らず、株式、不動産、借金など、相続財産の全容を把握するのは非常に労力がかかる作業です。 「うっかり申告漏れをしてしまった」「後から借金が見つかって大変なことになった」という事態を防ぐためには、初期段階での正確な財産調査と、法的に有効な遺産分割協議書の作成が不可欠です。

高野司法書士事務所にお任せください

「実家から現金が出てきたけれど、どう扱えばいいかわからない」 「相続財産がどれくらいあるのか、正確に調査したい」 「後々のトラブルを防ぐために、きちんとした遺産分割協議書を作りたい」

このようにお悩みの方は、ぜひ高野司法書士事務所にご相談ください。

当事務所は、相続・遺言手続きを専門とする司法書士事務所です。 複雑な戸籍の収集から、預貯金・株式の解約手続き、不動産の名義変更、そしてもっとも重要な「遺産分割協議書」の作成まで、相続に関する手続きをトータルでサポートいたします。

タンス預金を含め、財産をどのように分けるのがご家族にとって一番円満か、法的な観点からアドバイスさせていただきます。また、相続税の申告が必要な場合は、信頼できる提携税理士をご紹介し、ワンストップで対応できる体制を整えております。

「隠す」のではなく「正しく引き継ぐ」ことが、故人の想いを大切にする一番の方法です。 無料相談も行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。お客様の不安を取り除き、スムーズな相続完了まで伴走いたします。

【相続】どこの証券会社かわからない…「ほふり」を使った株式調査

2025-12-20

家族が亡くなった後、遺産を整理していると「株をやっていたと聞いたことはあるが、どこの証券会社を使っていたのかさっぱりわからない」という事態に直面することがあります。かつてのような紙の株券は2009年に電子化され、現在はすべてデータで管理されているため、手がかりがないと調査は困難を極めます。

そのようなときに頼りになるのが、日本の証券決済インフラを一手に担う証券保管振替機構(通称:ほふり)です。本記事では、証券会社が不明な株式を調査するための「ほふり」への開示請求について、手続きの流れや必要書類をわかりやすく解説します。

1.証券会社がわからない…そんな時の救世主「ほふり」とは?

「ほふり」とは、証券保管振替機構の略称です。日本で唯一の振替機関として、上場企業の発行する株式や投資信託などの権利を電子的に一括管理しています。

2009年(平成21年)の株券電子化以降、上場株式はすべてデジタルデータとしてこの機構に登録されるようになりました。そのため、亡くなった方(被相続人)がどこの証券会社に口座を持っていたとしても、「ほふり」に問い合わせれば、その口座が開設されている金融機関名を特定できるという仕組みです。

近年、新NISAの普及やスマートフォン証券の台頭により、ご家族に投資状況を知られないまま証券口座を保有している方も少なくありません。そのため、相続発生時に「ほふり」への調査依頼を行うケースが実務上増えています。

2.「ほふり」への開示請求でわかること・わからないこと

調査を始める前に、まず開示請求によって何が判明し、何が判明しないのかを正しく理解しておく必要があります。

確認できる情報

  • 口座が開設されている金融機関名(証券会社や信託銀行など)の一覧
  • 口座管理機関ごとの「加入者口座コード」

確認できない情報

  • 保有している株式の銘柄名
  • 株式の保有残高や評価額
  • 過去の取引履歴
  • 非上場株式や外国株式の口座情報(原則として対象外)

つまり、「ほふり」はあくまで「どこに口座があるか」を教えてくれる窓口であり、具体的な中身については、判明した証券会社に対して個別に問い合わせる必要があります。

3.開示請求ができる人は誰?

大切な個人情報を扱うため、誰でも請求できるわけではありません。相続において請求が認められているのは、主に以下の方々です。

1. 法定相続人(亡くなった方の配偶者や子供など)

2. 法定相続人の法定代理人(親権者や成年後見人など)

3. 法定相続人から委任を受けた任意代理人(司法書士や行政書士など)

4. 遺言執行者(遺言書で指定された人)

内縁のパートナーや、相続権のない親族は直接請求することができないため注意が必要です。

4.手続きの具体的な流れ

「ほふり」への調査は、すべて郵送で行います。窓口での受付や、電話・メールによる回答は一切行われていません。

ステップ1:必要書類の準備

まず、機構のホームページから「登録済加入者情報開示請求書」をダウンロードし、必要事項を記入します。あわせて、相続関係を証明する書類を揃えます。

ステップ2:書類の郵送

準備した書類を、東京都中央区にある「証券保管振替機構 開示請求事務センター」へ郵送します。重要書類が含まれるため、書留やレターパックなどの記録が残る方法が推奨されます。

ステップ3:結果の受取と費用の支払い

書類に不備がなければ、通常3週間から1ヶ月程度で結果が届きます。結果は「代金引換郵便(簡易書留)」で送られてくるため、その際に郵便局員へ手数料を支払って受け取ります。

5.開示請求に必要な書類(相続人が請求する場合)

手続きには多くの必要書類が必要です。2023年2月以降、多くの確認書類が「原本不可・すべてコピー」での提出に変更されました。原本を郵送しても返却されないため、必ずコピーを準備してください。

主な必要書類は以下の通りです。

開示請求書(機構指定の様式。氏名・住所ごとに作成)

請求者(相続人)の本人確認書類のコピー(運転免許証、マイナンバーカード表面など)

被相続人と請求者の関係を示す書類

  • 法定相続情報一覧図の写し(これがあれば戸籍は不要。手数料も安くなります)
  • または、被相続人の死亡と相続関係がわかる「戸籍謄本等」のコピー

被相続人の住所確認書類のコピー(住民票の除票、戸籍の附票、証券会社からの郵便物など)

6.調査にかかる費用

開示請求には手数料がかかります。

基本料金:1件につき 6,050円(税込)

• 割引制度:法定相続情報一覧図を提出すると、1,100円割引(4,950円)になります。

• 追加料金:複数の住所や旧姓で調査を希望する場合、2件目以降は1件あたり1,100円が加算されます。

例えば、現住所と1つ前の住所の両方で調べたい場合は、計7,150円が必要です。なお、調査の結果「該当なし」だった場合でも、費用は発生します。

7.ここが盲点!「信託銀行の特別口座」とは?

「ほふり」から届いた結果通知書に、見慣れない「信託銀行」の名前が記載されていることがあります。これは「特別口座」と呼ばれ、株券電子化の際に証券会社に預けていなかった株式を、会社側が仮の口座として用意したものです。

特に、単元未満株(端株)と呼ばれる100株に満たない端数の株は、この特別口座で管理されていることが非常に多いです。この場合、証券会社からの案内が届かないため家族が気づきにくく、「ほふり」の調査で初めて判明することも珍しくありません。

8.調査結果が出た後のステップ

「ほふり」の調査はあくまで「スタートライン」です。口座のある証券会社が判明したら、次は以下の手続きを進めます。

1. 各証券会社へ連絡:名義人が亡くなったことを伝え、相続用の書類一式を請求します。

2. 残高証明書の取得:亡くなった当日の保有銘柄や時価評価額を確認するために必要です。

3. 相続用口座の開設:株式をそのまま引き継ぐ場合、相続人自身の証券口座が必要です。

4. 名義変更(移管):必要書類を提出し、被相続人の口座から相続人の口座へ株式を移します。

9.確実な遺産調査で、安心できる相続手続きを

株式の相続手続きは、まず「どこの証券会社か」を特定することから始まります。手がかりがなくても「ほふり」の開示請求を活用すれば、道筋が見えてきます。ただし、書類の不備による差し戻しや、判明した後の複数の金融機関とのやり取りは、精神的にも時間的にも大きな負担となります。

「仕事が忙しくて平日に動けない」「戸籍集めが複雑で挫折しそう」「とにかく漏れなく正確に調査したい」 そんな時は、相続手続きの専門家である司法書士への相談を検討してみてください。

高野司法書士事務所は、相続・遺言手続きを専門とする事務所として、これまで多くの株式調査・名義変更をサポートしてまいりました。 面倒な「ほふり」への開示請求から、戸籍の収集、判明した証券会社とのやり取り、そして不動産の相続登記(名義変更)まで、相続手続きをワンストップでまるごと代行いたします。

誰も住まない実家…空き家放置が招くリスク

2025-12-13

親の家を相続したものの、遠方に住んでいる、忙しい、または「いつか使うかもしれない」といった理由で、実家をそのまま放置している方は少なくありません。しかし、この「とりあえず放置する」という選択こそが、将来的に大きな金銭的・法的リスクを招く最大の原因となります。思い出の詰まった大切な実家は、適切に対処しなければ、やがて「負動産」へと姿を変えてしまうのです。

この記事では、空き家を放置することで所有者が直面する深刻なリスクを分かりやすく解説し、そのリスクを回避するために今すぐ取るべき具体的な行動についてご説明します。

1.日本の空き家問題の現状と背景

現在、日本の空き家問題は深刻化の一途をたどっています。総務省の調査によると、2023年時点で全国の空き家総数は約900万戸にのぼり、これは全住宅の約13.8%と過去最高を更新しました。これは、日本の住宅のおよそ7戸に1戸が空き家であることを意味します。

空き家が増える背景には、少子高齢化と人口の都市集中という社会構造の変化があります。子が都市部で生活基盤を築いているため、親が亡くなっても実家に戻る必要がなく、空き家のまま放置されるケースが増加しています。また、相続が発生した際、兄弟姉妹の間で活用方針について話し合いがまとまらず、不動産が「塩漬け」状態になってしまうことも、放置が続く大きな要因です。

2.空き家放置が招く3つの深刻なリスク

管理されていない空き家は、所有者自身だけでなく、地域社会全体に多くの悪影響を及ぼします。リスクは「安全」「経済」「法務」の3つの側面から考える必要があります。

1. 倒壊・犯罪につながる「安全リスク」

① 老朽化による倒壊・破損と損害賠償責任

人が住まなくなった家は換気や清掃が行われず、湿気やカビにより建物の劣化が想像以上に早いスピードで進みます。特に木造住宅は、湿気や雨漏り、シロアリの被害を受けやすく、柱や基礎の耐久性が急速に低下します。 老朽化した建物が地震や台風などの自然災害で倒壊したり、屋根材や外壁が飛散したりして、隣家や通行人に被害を与えた場合、所有者は民法上の損害賠償責任を問われる可能性があります。管理不備が原因と見なされると、数千万円から数億円といった高額な賠償金を請求されるケースも想定されます。

② 衛生環境の悪化と近隣トラブル

放置された建物や庭には雑草が伸び放題となり、ネズミ、ハクビシン、ハチ、ゴキブリといった害虫や害獣の格好の住処となります。これらの生物が繁殖すると、悪臭や衛生上の問題が発生し、近隣住民の生活環境に深刻な悪影響を与えます。雑草や庭木が隣地に越境し、苦情やトラブルの原因になることも頻繁に発生します。

放火・不法侵入など犯罪の温床に

人の出入りがない空き家は、不法投棄や不法侵入、放火といった犯罪のターゲットにされやすい傾向があります。特に敷地内にゴミや枯れ草が放置されていると、火災のリスクがさらに高まります。空き家が犯罪者の拠点に使われるなど、地域の治安悪化につながり、近隣住民に多大な不安を与えることになります。

2. 資産を蝕む「経済リスク」

固定資産税が最大6倍になる恐れ

住宅が建っている土地には、固定資産税が軽減される「住宅用地の特例」が適用されています。しかし、空き家の管理が不十分であると自治体から「特定空き家」に指定され、改善の「勧告」を受けると、この優遇措置が解除されてしまいます。 その結果、土地にかかる固定資産税は更地と同等の扱いとなり、税額が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。この税負担の増加は、所有者にとって最も直接的で深刻な経済的リスクです。

⑤ 資産価値の急激な下落と維持費用の負担

空き家を放置し老朽化が進むと、売却しようとしても「再利用に多額の費用がかかる」と判断され、買い手がつきにくくなります。結果として、大切な資産が「負の遺産」に変わってしまうリスクがあります。さらに、売却や活用ができなくても、所有し続ける限り、固定資産税のほかに、火災保険料、定期的な清掃、草刈り、簡単な修繕など、年間で数十万円に及ぶ維持費用が継続的に発生します。

3. 将来を閉ざす「法務リスク」

特定空き家指定による強制措置と過料

倒壊のおそれがある、衛生上有害である、景観を著しく損ねているなどの状態にある空き家は、市町村により「特定空き家等」に指定されることがあります。 特定空き家等に指定された後、改善のための「命令」にも従わない場合には、50万円以下の過料が科される可能性があります。さらに、状況が改善されないときは、自治体が建物の除却などを行う「行政代執行」が実施され、その費用は全額、所有者に請求されることになります。

相続登記を怠ることによる権利関係の複雑化

空き家問題の根本には、所有者が亡くなった後に相続登記を行わないまま放置されるという問題があります。2024年4月からは相続登記が義務化されており、相続の開始を知った日から3年以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料の対象となります。 さらに、登記簿上の名義が亡くなった方のままだと、その不動産の売却や解体といった法的な手続きが一切できなくなります。時間が経つと相続人が次々と亡くなり、権利者がネズミ算式に増えていく(数次相続)ため、将来的に売却や活用をしたくても、共有者全員の合意を得ることが極めて困難になります。

3.リスクを回避するための実践的アクションプラン

空き家が「負動産」と化してしまうのを防ぐには、先送りせずに早期の行動が不可欠です。

1. 【最重要】親が元気なうちに家族で話し合う

相続が始まってからでは、親の意向が分からず、兄弟姉妹の間で「売却するのか」「賃貸に出すのか」「誰かが住むのか」といった点について意見が対立し、トラブル(いわゆる「争族」)に発展することがあります。そのため、親が元気なうちに、将来の不動産の扱いについて家族で話し合っておくことが重要な生前対策となります。

2. 空き家を処分・活用する4つの選択肢

将来利用する予定がない場合は、以下の選択肢を検討しましょう。

  • 売却して現金化する(最もシンプル): 実家を売却し現金化すれば、固定資産税や管理の負担から完全に解放され、売却益を公平に分割できます。築年数が浅く、劣化が進む前に市場価値を査定して売却することが、資産価値を守るカギです。老朽化物件や早期に手放したい場合は、不動産買取業者に直接売却する「買取」も有効な手段です。
  • 賃貸に出して収益化する: リフォームを行って賃貸物件として活用すれば、家賃収入を得ながら、人が住むことで建物の劣化を防ぐことができます。賃貸需要が見込めるエリアであれば、維持費の負担を家賃収入で賄うことが可能です。
  • 適切に管理して維持する: 将来的に利用予定がある場合や、すぐに方針を決められない場合は、適切な管理を続けることが必須です。定期的な換気、清掃、草刈りを行い、建物の劣化を抑え、特定空き家に指定されるリスクを回避できます。遠方に住んでいる場合は、専門の空き家管理サービスを利用することも有効です。
  • 解体して更地にする: 建物の老朽化が激しい場合は、解体して更地として売却する方が買い手がつきやすい場合があります。ただし、解体費用がかかることと、解体した翌年から固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が増加する点には注意が必要です。

3. 相続が発生したら「権利関係」を整理する

相続が発生した場合には、まず相続登記を進め、不動産の名義を相続人へ変更することが重要です。
相続人が複数いる場合で意見がまとまらないときは、遺言書の有無を確認したうえで、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するのかを明確にする必要があります。

4.相続・遺言手続きでお悩みの方へ

当事務所は、相続手続きおよび遺言書作成を専門とする司法書士事務所です。横浜市青葉区を中心に、地域に密着したサポートを行っております。

空き家問題の根本的な解決は、まず不動産の権利関係を正確に整理することから始まります。当事務所では、戸籍の収集から相続登記の申請、相続人全員の合意形成(遺産分割協議)のサポートまで、法律専門家でなければ対応が難しい煩雑な手続きを一括して代行いたします。

また、当事務所は空き家問題解決のハブ(拠点)として、不動産会社など各分野の専門家と連携した体制を整えております。そのため、不動産の売却活用を含めた最適な出口戦略についても、安心してご相談いただくことが可能です。

さらに、ご家族の将来の安心円満な相続を実現するためには、親御様が元気なうちに行う公正証書遺言の作成や、家族信託の活用といった生前対策極めて重要です。

ご相談は初回無料で承っております。大切なご実家を「負の遺産」にしないためにも、まずは一度、専門家へご相談ください。その一歩が、将来のご家族の安心と笑顔につながります。

除籍謄本の取り方マニュアル

2025-12-09

遺産相続の手続きを進める際、多くの方が初めて耳にするのが「除籍謄本(じょせきとうほん)」という書類かもしれません。除籍謄本は、故人(被相続人)の法定相続人が誰であるかを確定するために非常に重要な公的書類です。

この書類の収集は相続手続きの最初のステップでありながら、手間や時間がかかることが多く、不慣れな方にとっては複雑に感じられるかもしれません。

ここでは、除籍謄本とは何か、戸籍謄本との違い、そしてスムーズに取得するための具体的な方法を分かりやすく解説します。

1.除籍謄本の基礎知識:戸籍謄本との違い

除籍謄本は、その戸籍に記載されていた人が婚姻、転籍、または死亡などの理由によって全員いなくなった事実を証明する書類です。戸籍から全員がいなくなり、その戸籍が閉鎖された状態を「除籍」と呼びます。

戸籍謄本との違い

除籍謄本とよく似た書類に、戸籍謄本があります。この二つの主な違いは、戸籍内に現在も存命の人が残っているかどうかです。

戸籍謄本:現在も有効な戸籍であり、存命の人が一人でも残っている全員分の情報が記載された書類です。

除籍謄本:戸籍に記載されていた全員が抜けて、誰もいなくなった状態を証明する書類です。

相続手続きの実務上、亡くなった方(被相続人)の死亡の事実が記載されている戸籍(誰もいなくなり除籍となったものだけでなく、まだ存命の家族が残っている戸籍に死亡の記載がされている場合も含む)を広義的に「除籍謄本」と呼ぶこともあります。しかし、正式には全員がいなくなった戸籍が除籍謄本です。

なお、戸籍の情報が電子化されている自治体では、「除籍謄本」の代わりに「除籍全部事項証明書」という名称で交付されますが、記載内容や法的な効力は同じであり、相続手続きではどちらも問題なく使用できます。

2.除籍謄本が必要になる場面

除籍謄本は、ほぼすべての相続手続きにおいて必要とされます。

最も重要なのは、法定相続人を確定するための調査です。相続手続きを正確に進めるためには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍の記録(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本など)を連続性をもって収集する必要があります。この連続した戸籍の束を集める過程で、婚姻や転籍、死亡により閉鎖された過去の除籍謄本が欠かせません。

具体的には、以下のような場面で除籍謄本が必要になります。

  • 不動産の名義変更(相続登記)
  • 銀行預金の解約や名義変更
  • 生命保険金の請求
  • 相続税の申告

3.除籍謄本の取得方法:どこで取れるか

除籍謄本は、戸籍があった本籍地を管轄する市区町村役場で取得が可能です。

どこで取れる?本籍地以外での取得と広域交付

原則として、除籍謄本を取得できるのは、故人の本籍地のある市役所です。

故人が転籍(本籍地の移動)や結婚を繰り返していると、出生から死亡までに複数の本籍地があることが多く、その都度、それぞれの役所に請求する必要があります。

しかし、2024年3月以降、戸籍法の改正により「広域交付制度」が導入されました。これにより、請求できる人の範囲は限定されますが、本籍地以外の全国各地の市区町村役場の窓口でも、除籍謄本を一括で取得できるようになりました。

この広域交付を利用できるのは、本人、その配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子、孫など)に限られます。兄弟姉妹や代理人は広域交付を利用できません。

取れる人(請求できる人)

除籍謄本には個人の重要な身分事項が記載されているため、誰でも自由に取得できるわけではありません

原則として、除籍謄本を取得できる人は以下の通りです。

1. 除籍謄本に記載されている人(故人)の配偶者

2. 除籍謄本に記載されている人の直系尊属(父母や祖父母など)または直系卑属(子どもや孫など)。

3. 上記の人々から委任状で依頼を受けた代理人(弁護士、司法書士などの専門家を含む)。

4. 正当な理由がある第三者(自己の権利行使や義務履行のために必要な場合など。例:債権者が相続人を確認する場合)。

兄弟姉妹など、直系にあたらない傍系の親族が相続人として請求する場合は、自身が相続人であることを証明する戸籍謄本類を提示する必要があります。

窓口または郵送での請求方法

除籍謄本を取得する方法は、主に窓口での申請郵送での請求の2種類です。

1. 窓口での申請

(1)本籍地の役所で請求する場合
請求書に記入し、本人確認書類、親族関係を証明できる書類、および手数料(1通750円)を提出します。即日で受け取れる点が最大のメリットですが、平日の開庁時間内に役所へ出向く必要があります。

(2)広域交付制度を利用する場合
本籍地以外の役所でも請求できる制度です。本人確認書類と手数料(1通750円)を提出します。即日交付される場合もありますが、役所によっては後日交付となることがあります。

2. 郵送での請求本籍地が遠方で役所へ行くのが難しい場合に有効な方法です。必要書類(請求書、本人確認書類の写し、親族関係を証明する書類、返信用封筒、手数料750円分の定額小為替など)を本籍地の役所に郵送します。郵送の場合は、申請から手元に届くまでに1〜2週間程度かかることがデメリットです。手数料は、郵便局で購入できる定額小為替で支払うのが一般的です。

コンビニ交付については、現在のところ除籍謄本は対象外であり、役所または郵送での申請が必要です。

4.除籍謄本を取得する際の注意点

スムーズに相続手続きを進めるために、いくつか知っておくべき注意点があります。

死亡直後は取得できない

人が死亡し、役所に死亡届が提出されても、戸籍に死亡の事実が反映されるまでには、通常1週間から10日程度の事務処理時間がかかります。そのため、亡くなった直後に除籍謄本を申請しても、まだ情報が反映されておらず、取得できない可能性が高いです。死亡届を提出してから10日ほど経過した後に申請するのが確実とされています。

出生から死亡までの連続性を確認

相続人調査においては、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本類をすべて漏れなく集めることが不可欠です。結婚や転籍、法改正などで戸籍が変わるたびに過去の記録(改製原戸籍や除籍謄本)が必要になります。

一つでも書類に漏れがあると法定相続人を確定できず、相続手続きを進められない可能性があります。古い戸籍を遡る際は、前の戸籍の「従前戸籍」の記載を確認しながら、途切れなく書類を集めることが大切です。

古い除籍謄本の判読の難しさ

古い時代に作成された除籍謄本には、手書きで記載されていたり、旧字体や毛筆が使われていたりすることが多く、一般の方が正確に読み解くのは難しい場合があります。

特に相続人調査では、記載内容を正確に理解して次の戸籍の請求先を判断する必要があるため、判読に不安がある場合は、専門家に確認を依頼することが安心です。

5.相続手続きは専門家への依頼が安心

相続手続きの第一歩である戸籍の収集は、見た目以上に複雑で時間を要します。特に、被相続人様の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍を途切れなく集め、その内容を正確に読み解く作業は、専門家でなければ困難を極めるケースも少なくありません。

私たち高野司法書士事務所は、相続・遺言手続きを専門としており、お客様が抱える煩雑な手続きの負担を軽減し、円滑で確実な相続の実現をサポートいたします。

戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍の収集・読み解きはもちろん、その後の遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更(相続登記)まで、相続手続き全般をワンストップで代行することが可能です。

「どこから手を付けて良いかわからない」「仕事が忙しく、役所に行く時間がない」「古い戸籍の字が読めない」といったお悩みをお持ちであれば、ぜひ一度ご相談ください。相続の専門家が、お客様の不安に寄り添い、確かな知識と経験で全力でサポートさせていただきます。

遺言書がある場合の相続手続きガイド

2025-12-01

故人が遺言書を残されていた場合、その後の相続手続きは、遺言書がない場合と比較して、故人の意思が最大限に尊重されるという特徴があります。遺言書の内容は、民法で定められた法定相続分よりも原則として優先されるため、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)を省略し、円滑に手続きを進められる可能性が高まります。

しかし、遺言書があるからといって全てが自動的に完了するわけではありません。遺言書の種類に応じた法的な手続きや、財産を実際に引き継ぐための複雑な名義変更など、適切な流れを踏む必要があります。

本記事では、法律の専門家ではない方に向けて、遺言書が見つかった際の相続手続きの具体的なステップと、知っておくべき重要な注意点について解説します。

1.遺言書がある場合の相続手続きの「流れ」(ステップ解説)

遺言書がある場合の相続手続きは、主に以下のステップで進行します。

STEP 1:遺言書の種類を確認する

遺言書は大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、種類によってその後の対応が異なります。

公正証書遺言:公証人が作成するため、検認手続きは不要です。

自筆証書遺言・秘密証書遺言:法務局で保管されているものを除くこれらの遺言書については、原則として家庭裁判所の検認手続きが必要となります。

【重要】 封印された自筆証書遺言や秘密証書遺言を勝手に開封することは、法律により禁止されています(違反すると過料が科される可能性あり)。

STEP 2:他の相続人へ遺言書の存在を知らせる

遺言書を発見した相続人は、その存在を他の相続人全員に速やかに通知する必要があります。遺言書の内容が自分に不利益だからといって隠匿・破棄する行為は、「相続欠格事由」に該当し、相続人としての資格を失うリスクがあるため、絶対に避けなければなりません。

STEP 3:遺言執行者の確認と手続きの実行

遺言書に「遺言執行者」が指定されている場合、その人物が遺言の内容を実現するために必要な全ての行為を行います。預貯金の払い戻しや不動産の名義変更など、煩雑な手続きは遺言執行者が中心となって進めます。相続人は遺言執行者の執行を妨げてはなりません。

指定がない場合は、相続人全員で手続きを行うか、家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てることができます。

STEP 4:財産の名義変更(銀行・不動産)

遺言書の有効性が確認され、検認(必要な場合)が完了したら、具体的な財産の承継手続きに移ります。

預貯金(銀行)の払い戻し・名義変更

銀行などの金融機関で故人の口座の払い戻しや名義変更を行う際は、遺言書、検認済証明書(法務局保管の自筆証書遺言と公正証書遺言の場合は不要)、亡くなった方の戸籍謄本、預金を取得する人や遺言執行者の印鑑証明書など、各金融機関が定める書類を揃えて提出します。遺言書がある場合、原則として遺言により財産を取得する人が単独で手続きできる点がメリットです。

不動産の相続登記

不動産を相続した場合は、法務局で名義を書き換える相続登記が必要です。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、取得を知った日から3年以内に申請しないと過料が科される可能性があるため、期限には注意が必要です。

STEP 5:相続税の申告と納税

遺産総額が相続税の基礎控除額(3,000万円+法定相続人の数×600万円)を超える場合、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税が必要です。遺言書がある場合でも、この申告義務は変わりません。

2.遺言書があっても「遺産分割協議」が必要になるケース

遺言書は原則優先されますが、その内容を必ずしも守る必要がないケースや、遺言書だけでは手続きが完了しないケースが存在します。

1. 相続関係者全員が同意した場合

相続関係者全員(法定相続人や遺言により財産を受け取る受遺者など)が合意すれば、遺言書の内容とは異なる遺産分割を自由に決定できます。故人の意思を尊重しつつも、現状に合わせた柔軟な分割が可能です。

全員の合意を将来の紛争防止のため明確にしておくには、遺産分割協議書を作成し、相続人全員(および受遺者等)が署名のうえ実印で押印する必要があります。

2. 遺言書に記載のない財産があった場合

遺言書に全ての財産が記載されておらず、記載漏れの財産が見つかった場合、その財産については法定相続人全員で遺産分割協議を行い、分け方を決めなければなりません。また、遺言書が具体的な財産ではなく、単に相続分の割合(例:長男に8割、次男に2割)のみを指定している場合も、どの財産を誰が取得するかを決めるために協議が必要です。

3.遺言の内容に不満がある場合の「遺留分」の主張

遺言書の内容が特定の相続人を優遇するもので、他の相続人の取り分が極端に少ない場合、「遺留分」という権利を行使することで最低限の遺産取得分を確保できる可能性があります。

1. 遺留分が認められる法定相続人

遺留分は、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属)に認められている権利です。遺言書によって遺留分が侵害されていた場合、侵害された相続人は、多く財産を取得した人に対して金銭の支払いを請求できます。これを「遺留分侵害額請求」といいます。

2. 遺留分侵害額請求の期限

遺留分を請求できる権利には短い期限が定められています。侵害された相続人が、相続開始と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内、または相続開始から10年を経過すると権利が時効により消滅してしまうため、迅速に行動することが不可欠です。

4.相続手続きの「不安」を「安心」に変えるサポート

遺言書がある相続手続きは、故人の意思を尊重するという大原則に従って進められますが、その過程では、遺言書の検認不動産の名義変更手続きのほか、複雑な遺留分の算定など、専門的な知識と高い正確性が求められる作業が数多く発生します。

高野司法書士事務所は、相続・遺言手続きを専門とし、法定相続人の調査から、煩雑な手続きをワンストップで代行いたします。特に、不動産の相続登記義務化や、相続放棄の手続きなど、期限管理が重要な手続きにおいて、お客様に代わり迅速かつ正確に対応します。相続に関するどんな小さなお悩みでも、どうぞお気軽にご相談ください。

相続人がいない場合の遺産はどうなる?

2025-11-21

近年、生涯独身の方の増加や少子高齢化の進展に伴い、亡くなった方に法定の相続人が一人もいない「相続人不存在」のケースが増加しています。身寄りがなく、亡くなった後に遺産が宙に浮いた状態になってしまうという問題は、社会的な課題となりつつあります。

「もし自分に相続人がいなかったら、財産は全て国に取られてしまうのだろうか?」 「お世話になった人や団体に財産を残したいけれど、どうすればよいのだろうか?」

このような不安を抱える方も少なくありません。実際に、相続人不存在によって最終的に国庫に帰属する遺産の額は、年々増加傾向にあるとされています。

本記事では、相続人不存在とはどのような状況を指すのか、遺された財産は最終的にどこへ行くのか、そして、ご自身の意思を反映させるために生前にできる相続対策(特に遺言書の作成)について、法律を専門としない方にも分かりやすく徹底的に解説します。

1.相続人不存在とは?その定義と3つのパターン

相続人不存在とは、民法が定める「法定相続人」に該当する人が、亡くなった方(被相続人)の死亡時に一人もいない状態を指します。

法定相続人とは、法律によって定められた相続権を持つ人で、その範囲と順位は以下の通りです。

配偶者:常に相続人となる。

第1順位:子(子が亡くなっていれば孫、ひ孫などの直系卑属)。

第2順位:父母(父母が亡くなっていれば祖父母などの直系尊属)。

第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっていれば甥姪)。

この法定相続人(および代襲相続人)が誰もいない場合に相続人不存在となります。なお、いとこや叔父叔母、甥姪の子どもなどは法定相続人ではありません。

相続人不存在になる具体的なケースは、主に次の3つのパターンが考えられます。

(1) 家族構成的に法定相続人がいないケース

被相続人が独身で子どもがおらず、両親などの直系尊属も兄弟姉妹(および甥姪)も既に亡くなっている、いわゆる「天涯孤独」の状態です。

(2) 法定相続人全員が相続放棄したケース

戸籍上は相続人がいるものの、その全員が家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、それが受理された場合です。相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったものとみなされます。被相続人に多額の借金(負債)があった場合に、借金を引き継がないために全員で放棄するケースが多く見られます。

(3) 相続欠格・相続廃除により相続権を失ったケース

法定相続人に相続の意思があっても、被相続人に対して重大な不正行為や虐待行為があった場合、「相続欠格」や「相続廃除」によって相続権を失うことがあります。この結果、他に相続人がいなければ相続人不存在となります。ただし、欠格や廃除の場合、第1順位や第3順位では代襲相続が認められるため、その子(孫など)が相続人になる可能性があります。

誤解されやすい「相続人がいない」ケース

相続人が行方不明または音信不通である場合は、その人が法律上の相続人である限り、相続人不存在とは扱われません。一方、内縁の配偶者は法律上の相続人ではないため、他に法定相続人がいなければ相続人不存在として扱われます。

行方不明の場合:戸籍から抹消されていない限り、法律上は相続人が「いる」ものとして扱われます。遺産分割を進めるためには、不在者財産管理人の選任や失踪宣告の手続きが必要です。

内縁の配偶者:法律上の婚姻関係がないため、内縁の配偶者には法定相続権はありません。財産を確実に残すには、遺言書を作成するか、後述の特別縁故者として財産分与を求める必要があります。

2.相続人不存在の場合、遺産はどこへ行く?

相続人不存在の状態が確定した場合、遺産はすぐに国のものになるわけではなく、以下の優先順位に従って清算・処分されていきます。

(1) 遺言書で指定された人(受遺者)や債権者

まず、遺言書が残されていれば、そこに指定された人や団体(受遺者)に財産が渡されます。遺言書は法定相続人がいない場合でも、被相続人の意思を実現する上で非常に強力な手段です。

また、被相続人に対して金銭を貸していた人や、未払いの家賃などの支払いを受ける権利を持つ債権者がいる場合は、遺産から支払いがなされます。

(2) 特別縁故者への財産分与

債権者受遺者への支払い・遺贈を終えてもなお財産が残っている場合、次に財産を受け取る可能性があるのが「特別縁故者」です。

特別縁故者とは、被相続人と特別に緊密な関係にあったと家庭裁判所に認められた人や団体を指します。例としては、内縁の配偶者、事実上の養子、生前に献身的に療養看護に努めた人などが挙げられます。

特別縁故者が財産を受け取るためには、相続人不存在が確定してから3か月以内に、家庭裁判所に「財産分与の申立て」を行う必要があります。家庭裁判所は、故人との関係性や貢献度などを総合的に考慮し、分与の可否や金額を決定します。

なお、特別縁故者への財産分与は、遺贈とみなされ相続税の課税対象となり、原則として2割加算の対象となります。

(3) 最終的な国庫帰属

上記(1)と(2)の手続きを経てもなお残った財産、あるいは遺言書特別縁故者も存在しない場合は、その残余財産は最終的に国庫に帰属し、国のものとなります(民法959条)。2022年度の段階で国庫に帰属した金額は768億円にのぼるとされており、このケースは増加傾向にあります。

3.相続人不存在の場合の複雑な手続きの流れ

相続人不存在となった場合、遺産は勝手に処分できず、法的な清算手続きを進めるために、家庭裁判所に相続財産清算人(令和5年4月1日以前は「相続財産管理人」)の選任を申し立てる必要があります。

この申立ては、被相続人の債権者受遺者特別縁故者などの利害関係人、または検察官が行います。相続財産清算人には、通常、弁護士や司法書士などの専門家が選任され、中立的な立場で財産の調査・管理・清算を担います。

(1) 相続財産清算人の選任と公告

家庭裁判所が相続財産清算人を選任すると、その旨と、相続人がいる場合に名乗り出るよう求める「相続人捜索の公告」を官報で行います。この公告期間は6か月以上と定められています。

(2) 債権者・受遺者の申出の公告

上記と並行して、相続財産清算人は、債権者受遺者に対して、2か月以上の期間を定めて請求を申し出るよう公告します。期間満了後、申出のあった債権者受遺者には、遺産から支払いや遺贈が行われます。

(3) 相続人不存在の確定と財産分与

相続財産清算人の選任後、家庭裁判所による相続人捜索の公告期間(6か月以上)が満了し、相続人が現れなかった場合、相続人不存在が確定します。

法改正(令和5年4月1日施行)前は、各公告を段階的に行う必要があったため、確定までに最低10ヶ月以上を要していました。しかし、改正後は相続財産清算人の選任公告、債権者・受遺者の申出の公告、相続人捜索の公告3つの公告を同時期に並行して行うことができるようになったため、相続人不存在が確定するまでの期間最短6ヶ月に短縮されました。

確定後3か月以内特別縁故者から申立てがあれば、家庭裁判所の審判を経て財産が分与されます。

(4) 国庫帰属と期間・費用

相続人不存在の確定自体は最短6ヶ月で可能となりましたが、その後の特別縁故者への財産分与申立て期間(3ヶ月以内)を経る必要があり、さらに債権者への弁済や不動産などの財産処分の手続きにかかる期間も含めると、この一連の清算手続き全体が完了し、最終的に国庫に帰属するまでには、依然として最低でも10ヶ月以上かかることが一般的です。

また、相続財産清算人の報酬や公告費用などを賄うための予納金(数十万円から100万円程度)を、申立人が家庭裁判所に納める必要があるケースもあります。これは、残された関係者にとって経済的・時間的に大きな負担となります。

4.知っておきたい相続人不存在の注意点

不動産の共有者と特別縁故者の優先順位

もし亡くなった方が共有不動産の持分を持っていた場合、民法には相続人がいないときその持分は他の共有者に帰属する旨の規定がありますが、最高裁判所の判断により、特別縁故者への財産分与が共有者への帰属よりも優先されます。つまり、特別縁故者が財産を分与された後に残った持分があれば、それが他の共有者に帰属するという順番になります。

遺産の勝手な処分は禁止

相続人不存在のケースで、親族や知人であっても、遺された財産(家財、預貯金、不動産など)を勝手に処分したり、解約したりすることは許されません。すべての財産は相続財産清算人が管理・清算する対象となります。

5.大切な財産を活かすための生前対策

相続人不存在の場合、手続きは複雑で時間がかかり、最終的に財産が国庫に帰属してしまうリスクがあります。

自分の意思を反映させ、残された方々の負担を減らすためには、生前対策が不可欠です。

(1) 遺言書の作成で遺産の行き先を明確に

最も確実で重要な対策は、遺言書を作成しておくことです。

遺言書があれば、法定相続人がいない場合でも、財産の承継先を自由に指定し、意図しない国庫帰属を避けることができます。例えば、内縁の配偶者お世話になった人へ財産を遺贈したり、社会貢献のために特定の団体に寄付したりする、といった意思を実現できます。

遺言書があれば、相続財産清算人の選任手続きが不要になり、残された関係者の負担が大きく軽減されます。

特に、形式不備や紛失のリスクが低い公正証書遺言を作成し、遺言書の内容を確実に実現させる遺言執行者(司法書士などの専門家を指定可能)を決めておくことが推奨されます。

(2) その他の生前対策

死後事務委任契約:葬儀の手配や行政手続き、医療費の精算など、ご逝去後の事務処理を第三者に委任する契約です。相続人不存在の場合には、財産管理とは別に、これらの事務を担う人がいないため、遺言書と併せて検討することが重要です。

生前贈与:生きている間に財産を贈与する方法です。贈与者は財産の使い道を見届けることができ、贈与を受けた側も確実に財産を取得できます。

6.専門家からのメッセージ

相続人不存在の問題や、大切な方へ確実に財産を引き継ぐための遺言書作成は、多くの方にとって初めて直面する複雑な課題です。

私たち高野司法書士事務所は、相続・遺言手続きを専門としており、お客様一人ひとりの想いを実現し、未来に不安を残さないためのサポートを提供しています。

相続人不存在の懸念がある方には、公正証書遺言の作成を全面的に支援いたします。法的に有効で、ご依頼者様の明確な意思が反映された遺言書を作成し、大切な財産が意図しない形で国庫に帰属してしまうことを防ぎます。

相続遺言に関するご不安、疑問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの想いを未来へつなぐお手伝いを、責任をもって務めさせていただきます。

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