2025年も終わりに近づき、開業2年目としてこの1年を振り返る時期となりました。今年も多くの方から相続に関するご相談をいただき、心より感謝申し上げます。
昨年と比べても、相続登記や相続放棄、遺産分割協議に関するご相談は明らかに増えており、相続手続きを「後回しにせず、専門家に相談しよう」と考える方が増えてきた印象を強く受けています。
本記事では、司法書士として実際に相続実務に携わってきた立場から、2025年の相続相談の傾向や変化、そしてこれから注意しておきたいポイントを総括としてまとめていきます。
このページの目次
1.2025年は相続実務の「転換点」となった一年
2025年は、相続実務において一つの「転換点」と言える年でした。
特に大きかったのが、相続登記の義務化が現実的なものとして広く認識され始めたことです。「そのうちやればいい」「今は困っていないから大丈夫」と考えられていた相続登記について、将来的な罰則やリスクを意識し、早めに動こうとする方が増えました。
その結果、
- 何十年も名義変更されていない不動産
- 相続人が増えてしまい、話し合いが難しくなったケース
- 書類の収集が想像以上に大変だったケース
など、時間の経過が問題を複雑にしてしまった相続が数多く見受けられました。
一方で、「今のうちに整理しておこう」という前向きな相談も増え、相続に対する意識そのものが少しずつ変わってきていると感じています。
2.開業2年目として感じた「相続相談の増加」
開業2年目となる2025年は、昨年以上に多くの相続相談をお受けしました。
特に印象的だったのは、
- インターネットで情報を調べた上で相談に来られる方
- 「まずは話を聞いてほしい」と初回相談を重視される方
- 手続きの全体像を整理したいというニーズ
が増えてきたことです。
相続は、法律・税金・不動産・家族関係が絡み合う分野です。「何から手をつければよいか分からない」という状態で悩み続けてしまう方が非常に多いのが現実です。
そのため、最初の段階で状況を整理し、「今やるべきこと」「今はやらなくてよいこと」を明確にするだけでも、大きな安心につながるケースが多くありました。
3.2025年に特に多かった相続相談の内容
相続登記を長年放置していたケース
最も多かったのが、相続登記を何年も放置してしまっていたケースです。
「親が亡くなった当時は忙しくてそのままにしてしまった」
「兄弟間で話がまとまらず、時間だけが過ぎてしまった」
このような事情は決して珍しくありません。
しかし、放置期間が長くなるほど、
- 相続人が増える
- 戸籍の収集が大変になる
- 不動産の処分や活用ができなくなる
といった問題が生じやすくなります。
相続人同士が疎遠・連絡が取れないケース
相続人同士が疎遠になっている、あるいは連絡先が分からないというご相談も多くありました。
このような場合、遺産分割協議が進まず、「何もできないまま時間が経ってしまう」という状況に陥りがちです。
司法書士としては、戸籍の収集を通じて相続関係を整理し、現実的な進め方を一緒に考えていくことが重要だと感じています。
相続放棄をすべきか判断に迷っているケース
「借金があるかもしれない」
「財産状況がよく分からない」
こうした理由から、相続放棄をすべきかどうか迷われる方も多くいらっしゃいました。
相続放棄は期限や注意点が多く、誤った判断をすると取り返しがつかない場合もあります。
そのため、状況を整理した上で、本当に相続放棄が必要なのかを冷静に判断することが大切です。
4.「もっと早く相談すればよかった」と言われる理由
相続相談をお受けする中で、よく耳にする言葉があります。
「もっと早く相談すればよかったです。」
相続は、問題が表面化するまで動きにくい分野です。しかし、実際には早めに相談していれば、もっと簡単に解決できたというケースが少なくありません。
- 書類の取得がスムーズだった
- 相続人同士の関係がまだ良好だった
- 選択肢が多く残されていた
このような状況であれば、手続きの負担は大きく軽減されます。
5.相続手続きにおける司法書士の役割とは
相続手続きにおいて、司法書士は主に次のような役割を担います。
- 相続関係の調査・整理
- 相続登記の申請
- 遺産分割協議書の作成サポート
- 相続放棄の手続き支援
税務申告が必要な場合は税理士と、紛争性が高い場合は弁護士と連携しながら、相続手続きをスムーズに進めていくことが可能です。
「どこに相談すればよいか分からない」という段階でも、まずは司法書士に相談することで道筋が見えるケースは多くあります。
6.横浜市青葉区で地域密着型の司法書士として大切にしていること
当事務所では、横浜市青葉区を中心に、地域に根付いた相続サポートを行っています。
相続は、一度きりの手続きであることがほとんどです。
だからこそ、
- 分かりやすい説明
- 気軽に相談できる雰囲気
- 無理に手続きを勧めない姿勢
を大切にしています。
「こんなことを聞いてもいいのだろうか」そう感じる前に、まずはお話しいただければと思います。
7.これからも地域に根付いた司法書士として
2025年も、多くのご相談を通じてさまざまな相続に向き合ってきました。ご相談いただいた皆さまに、改めて感謝申し上げます。
相続は、決して特別な人だけの問題ではありません。誰にでも起こり得る身近な問題だからこそ、気軽に相談できる専門家の存在が重要だと考えています。
これからも横浜市青葉区を中心に、地域に根付いた司法書士として、相続でお困りの方のお力になれるよう努めてまいります。
相続について少しでも不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

神奈川県横浜市青葉区にある高野司法書士事務所の高野直人です。遺言書作成や相続登記、相続放棄など、相続に関する手続きを中心にお手伝いしています。令和6年4月から相続登記が義務化されたこともあり、不安や疑問をお持ちの方も多いかと思います。当事務所では、平日夜間や土日祝日の無料相談も行っており、お一人おひとりに丁寧に対応しています。どうぞお気軽にご相談ください。
