孤独死を防ぐ!おひとりさま終活の必須知識

近年、「おひとりさま」と呼ばれる独身や配偶者を失った高齢者が増加する中、孤独死のリスクが社会問題となっています。誰にも看取られることなく亡くなる孤独死は、残された家族や地域社会にも大きな影響を与えます。そうしたリスクを避けるためには、元気なうちから終活を計画的に行うことが大切です。

この記事では、「おひとりさま」が孤独死を防ぐために今すぐできる終活のステップを、実務的な観点からわかりやすく解説します。

1.なぜおひとりさまの終活が重要なのか?

おひとりさまの終活が注目される理由は、大きく分けて以下の3点です。

  • 身寄りがいない、または疎遠になっていることが多い
  • 医療・介護の意思決定者が不在
  • 遺品整理や相続のトラブルが起きやすい

これらの背景から、万一のときに周囲に迷惑をかけたり、自分の意思が反映されなかったりする事態が生じるリスクが高まります。

2.孤独死を防ぐために今すぐできること

1. 日常的な「見守り」の仕組みを作る

孤独死の大きな原因は「誰とも接点がないこと」です。まずは、以下のような形で人とのつながりを保ちましょう。

  • 近隣住民や管理人とのあいさつや日常会話
  • 行政の見守りサービス(地域包括支援センターなど)
  • 民間の見守りサービス(センサー・スマート家電・電話連絡)
  • 定期的なデイサービスの利用

2. 親族や友人との関係を維持する

離れて暮らす親族や昔の友人などとも、年賀状やLINE、電話などで定期的に連絡を取ることが大切です。特に、もしものときに頼れる連絡先を増やすことは、孤独死リスクの低減に大きくつながります。

3.おひとりさまが準備すべき終活の基本

1. エンディングノートの作成

エンディングノートとは、自分が望む医療や介護、葬儀、遺産分割などについて記録するノートです。法的効力はありませんが、残された人にとっては大きな手がかりになります。

記載する項目例:

  • 医療・介護についての希望(延命措置・施設入所など)
  • 財産の概要
  • 葬儀の形式や連絡してほしい人
  • ペットの世話
  • デジタル遺品(SNS、ネット銀行)の管理情報

2. 任意後見契約の締結

判断能力があるうちに、将来判断能力が低下した場合に備えた「任意後見契約」を締結しておくことで、自分の意思を信頼できる第三者に託すことができます。

任意後見人には、司法書士や親族、信頼できる知人を指定することができます。

3. 財産管理委任契約・見守り契約の併用

任意後見契約とセットで、判断能力が低下する前の段階でもサポートを受けられるように、「財産管理委任契約」や「見守り契約」を結んでおくと安心です。

4.亡くなった後の備えも重要

1. 遺言書の作成

おひとりさまの場合、法定相続人がいない、または相続人と疎遠であることが少なくありません。そうした場合、自分の財産がどこへ行くかを指定しないままだと、「国庫帰属」となり、国に没収されることもあります。

自筆証書遺言でも有効ですが、確実性を高めるなら「公正証書遺言」がおすすめです。

2. 死後事務委任契約

亡くなった後の手続き(葬儀・役所への届け出・家財整理・契約解除など)を信頼できる人に委任しておくことで、トラブルなくスムーズに進められます。

これも司法書士や行政書士との契約で対応可能です。

5.生前整理で周囲の負担を軽減

孤独死後の最大の負担は「遺品整理」です。不要なものやゴミが残されていると、親族や大家が困るだけでなく、悪質な業者とトラブルになる例もあります。

  • 不要な物は早めに処分
  • 契約関係(クレジット・携帯・SNSなど)を把握・整理
  • 通帳・保険証券・印鑑など重要書類はまとめて保管

6.公的・民間のサポートを積極的に活用しよう

おひとりさま向けに、行政や民間が提供しているサービスを活用することで、より安心な生活を送ることができます。

  • 地域包括支援センターによるケアプラン作成
  • 生活支援コーディネーターによるサービスの紹介
  • 成年後見制度や任意後見制度
  • 民間の遺言信託サービス
  • 死後事務代行サービス(契約時の信頼性は要確認)

7.一人でも「安心して生き、安心して旅立つ」準備を

孤独死は誰にでも起こり得る現実ですが、早めの備えによって大きくリスクを減らすことができます。特に「おひとりさま」は、今の自分の状態を正しく把握し、必要な支援や手続きを整えておくことが何より重要です。

高野司法書士事務所では、任意後見契約や遺言書作成、死後事務委任契約など、終活全般に関するご相談を承っております。横浜市青葉区を中心に、町田市・緑区・都筑区など近隣の皆様からも多数ご依頼をいただいております。

不安を抱える前に、安心の準備を。終活の第一歩は、信頼できる専門家への相談から始めましょう。

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