相続手続きを司法書士に依頼するメリット

相続手続きを司法書士に依頼するメリット

1.相続人を正確に把握することができる

相続人を調査するためには、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの(除)戸籍謄本、相続人の戸籍謄(抄)本等を本籍地のある役所で収集する必要があります。死亡記載のある最新の戸籍から始めて出生時の戸籍まで遡って取得していきます。

戸籍謄本は編成(婚姻などによって戸籍を新しく作成すること)や転籍(本籍地を他の市区町村内へ変更すること)、改製(新しい様式や基準に合わせて戸籍を作り変えること)の度に、新しく戸籍が作成されますので、それらの戸籍を全て取得する必要があり、多い時は数十通に及ぶこともあります。

また、数次相続(被相続人が死亡した後、遺産分割協議を行わないうちに相続人が死亡して次の相続が開始されること)や代襲相続(本来財産を相続するはずの法定相続人がすでに亡くなっている等の理由で相続できない場合に、その者に代わってその子供が代わりに遺産を相続すること)があると必要な戸籍の数はさらに増えていきます。

戸籍を収集するには、民法などの法律知識の他に、収集方法についての知識も必要になります。戸籍収集を正確に行わないと相続人を漏らしてしまうこともあり、相続人を欠いて行われた遺産分割協議は無効です。

このように相続人調査を誤ってしまうと以後の手続きに重大な影響を及ぼしてしまいます。この点司法書士は戸籍収集のプロフェッショナルです。戸籍収集を正確かつスピーディーに行うことが出来ます。

2.相続財産の調査方法を熟知している

相続財産の調査も漏れなく正確に行わなければなりません。全ての相続財産を把握していないと相続税の計算を誤ってしまいますし、誰がどれだけの財産を取得するかを検討することが出来ず、遺産分割協議を行うことも出来ません。

しかし、相続財産を漏れなく調査することは容易ではありません。相続財産は、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金や債務などのマイナスの財産も含まれます。

それらすべての財産を調査するには、郵便物や自宅に保管されている重要書類、通帳の入出金の履歴などを一つずつあたっていくしかありませんが、財産の調査には注意すべき点(コツ)があります。

例えば、不動産の調査を行う場合、固定資産税の課税明細書のみを確認して調査を行うと、公衆用道路などの非課税の物件や、マンションの集会所やポンプ室などの規約共用部分については、被相続人の持分が登記されていても課税明細書に記載されない場合もあるため、結果として相続財産を漏らしてしまいます。

そのため、名寄帳や登記済権利証も確認して物件に漏れがないか確認することが重要になってきます。この点司法書士は、相続財産ごとの財産調査の方法を熟知しています。入念に相続財産を調査して、相続財産の漏れがほぼないという状態にすることが可能になります。

3.予防法務の観点からアドバイスができる

予防法務とは、法律を駆使し事前に対策をすることでトラブルや紛争がない社会を実現することです。司法書士は予防法務の専門家と言われています。

司法書士の主な業務は登記業務ですが、不動産登記は正確な登記を行うことで、国民の権利を守り不動産取引の安全と円滑をはかり、もって後日の紛争予防に資するものとされています。司法書士は、将来の争いのもとを事前に見つけて、事前に対策方法やアドバイスを提供することが出来るのです。

例えば遺産分割協議において、司法書士が中立的な立場から、遺産分割協議における問題点を整理し、相続人が納得できトラブルを防止する遺産分割の方法についてアドバイスやご提案をすることが可能です。

また、相続手続き全般を進める上で大切なことは、「中立な第三者」の存在です。相続人のみで、相続手続きを進めることはかなり大変なことです。

このような場面で、司法書士が専門知識を持った中立的な第三者として相続人の代理人となって、公正かつスムーズに手続きを進めていくことができ、もって紛争の予防にも役立つのです。

相続手続きを司法書士に依頼するデメリット

1.紛争性のある相続案件や相続税の申告を代理出来ない

司法書士は家庭裁判所での代理権がありません。そのため、相続手続きの過程で、相続人同士で揉めてしまっても、司法書士が代理人として相手と交渉したり、裁判手続きを行うことは出来ません。

当事務所では、弁護士と提携しておりますので、相続に強い弁護士をご紹介することが可能です。

2.相続税の申告を代理することが出来ない

相続税の申告が必要な場合に、司法書士が申告手続きを代理することは出来ません。当事務所では、税理士と提携しておりますので、相続に強い税理士をご紹介することが可能です。

3.報酬(手数料)がかかる

司法書士に遺産整理業務を依頼した場合は当然報酬(手数料)がかかります。ただし、面倒な手続きを行う時間と手間はかなり軽減されますので、報酬を払う価値はあるものと思います。

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